肝試し

194: 本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 21:59:42 ID:0/ZxkvvA0
肝試し
1/7
あれは俺が小学生に上がったばかりだから、もう20年以上昔の話だ。
この前の辻事件を書いてて思い出したが、俺の住んでた村には結構、
そういった怪奇スポットがいくつかあった。今回も少し長めです。

今回は夏に行われたお化け大会の時の恐怖体験ついて書いてみる。
場所は近くの神社。そこはうっそうとした林の中にあり、昼間でも
怖くて一人では近づきたくない場所だった。ルールは簡単。ひとり
ずつ本堂の奥にある祠の前に置いてある箱からゴムボールを1個持ってくるだけだ。

しかし小さかった俺には死ぬほど怖かった。街灯は無いので真っ暗。
皆、懐中電灯を片手に震えながらボールを取ってきた。奥の方では
悲鳴が聞こえる。上級生がお化けの役になって、下級生を驚かして
いるからだ。中には怖くて途中で引き返してくる子もいた。そうい
う子には上級生が一緒に行ってあげてボールを取ってきた。

いよいよ俺の番だ。
心臓が口から飛び出るくらいバクバクしている。半ばヤケクソ状態
で先へと進んだ。本堂までは50m位だったが本当に真っ暗だった。
緊張で懐中電灯が左右にブレる。と、俺の視界左横に何かが見えた。
人魂だ。ゆらゆらと俺に付いて飛んでいる。俺はまったく気にせず先へ進んだ。



195: 本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 22:01:22 ID:0/ZxkvvA0
2/7
前にもちょっと書いたが小さい頃の俺はそういうものが普通に見え
ていた。なので人魂程度ではたいして驚かなかった。ようやく本堂
に着いた。左の脇道から裏へ回る。と、お化けの格好(狼男?)をし
た上級生が飛び出てきた。ヒィ!あまりに突然だったので悲鳴を上
げた。人魂より人間の方が怖い。俺は先へ進んだ。

次に出てきたのは鹿のお面をかぶった鹿男だった。ヒヒーンと鳴い
ている。俺は無視するように祠へ向かうと箱からボールを取った。
と、頭上から白い服を着た人形が垂れ下がってきた。さすがに、
これには腰を抜かした。ブランブランと揺れている人形をしばらく
見ていたが、ハッと我に返り本堂の逆サイドから帰ろうとした。

あまりの怖さに泣きべそをかきながら走った。そして本堂の脇を抜
ける時、誰かが本堂の外廊下に座っているのが見えた。お化け役の
上級生かと思ったが体は俺と同じくらいの大きさだ。着物を着て、
おかっぱ頭。女の子のようだった。手には赤い毬?を持っていた。

(先に行った子かな?何でこんな所に座ってんだ?)

俺は無視してその子の前を走り抜け、そのままスタート地点まで戻
った。俺はゼェゼェ言いながら係の子にボールを渡した。

あれ?何だこれ? おい、こんなの入れてあったか?



196: 本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 22:02:54 ID:0/ZxkvvA0
3/7
俺は何のこっちゃ?と思ったが、渡したボールを見て愕然とした。
それはボールではなく、毬だった。それもあの子が持っていたのと
同じ赤い毬だった。俺は確かにあの時、箱から黄色いゴムボールを
取り出したはずだ。それがいつの間にか毬に替わっていた。。。

俺は訳がわからなかったが係の子達はまぁいいかと言って収まった。
ほどなくして全員の順番が終わり、お化け大会は終わった。もちろん
最後に集合した子供たちの中に、あのおかっぱの子はいなかった。
翌日、あの子がどうしても気になった俺は友達を誘って神社に行ってみた。

今考えれば、やめておけばよかったと後悔してる。

夕方だがまだ明るく友達もいたので全然怖くなかった。本堂の周りを
一周してみたが、これといって変わったものはなかった。付き合って
くれた友達は、ひ~ちゃんというあだ名で彼は昨夜、ここで人魂では
なく大きなUFOが飛んでゆくのを見たそうだ。人魂もUFOも同じ
周波数帯にいるのか?俺は子どもながらに、ふ~んと思った。

二人で神社の周りをアレコレと散策していると、ビシッ!という何か
が突っ張るような音がした。ん?何だ今の?音はひ~ちゃんにも聞こ
えたようだった。視線を回してみるが誰もいない。俺は祠のあたりを
調べたが特に何も異常はなかった。と、本堂の正面を調べに行った
ひ~ちゃんから俺を呼ぶ声がする。正面に行くと彼は本堂の正面の戸から中を覗いていた。



197: 本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 22:04:50 ID:0/ZxkvvA0
4/7
どした?
シーッ・・・あれ見てみろよ。

俺も同じように格子の隙間から中を覗いた。
中には大きな神棚がありご神体祭られている(フタが閉じていたので
ご神体は見えなかったが)。と、その神棚に向かって小さい子供が座っ
ているのが見えた。咄嗟に昨日の子だ!と気がついた。しかし、どう
やって中に入ったのか、鍵は外からかけられているではないか。

何だあの子?どこんちの子だ?

何も知らないひ~ちゃんは、あの子が近所の子だと思ったらしい。
俺は必死に昨日のことを説明しようとしたが、なぜか声が出ない。
それどころか体が思うように動かなくなっていた。つまんないから帰
ろうぜ~と彼は言うと俺を置いてさっさと鳥居(昨日の大会の出発地点)
に向かって歩き始めた。俺は(ま、まってくれよ・・・)と心の中で叫ん
だが、まったく気づく様子もなく行ってしまった。

と、そこにビシィッ!という音が聞こえた。さっきより大きい音だ。
目線を本堂内に戻すと、あの子が両手で何かをしているようだった。
ビシィッ!それは両手で何かを引っ張った際に出る音だと気づいた。
と、その時、おかっぱの子がこっちに振り向いた。


顔がない



198: 本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 22:06:45 ID:0/ZxkvvA0
5/7
えっ!?
昨日は暗く、うつむいてたから気がつかなかったのか・・・!?俺は完全に
パニックになりかけていたが、とにかく鳥居のほうへ・・・この神社の敷地
から外に出なくては!と思い、うまく動かなくなった体を引きずるよう
に本堂の階段を降り、庭の石畳を鳥居方向へと進んだ。ひ~ちゃんは
かなり先まで行ってしまっている。。。と、本堂の戸が開く音が聞こえた。

ギィイィィ・・・

俺は振り返らなかった。いや、恐ろしさで振り返れなかったんだと思う。
ズリッ・・・ズリッ・・・重くなった足を引きずりながら、おかぁちゃん、おか
ぁちゃん、と泣きながら叫んだ。

一緒にあそぼ・・・

確かに聞こえた。おかっぱの子が言ったんだと思う。正確には聞こえたと
いうか心に響いたというか。。。しかし恐怖でいっぱいの俺は、とにかく
逃げたい一心で先へ進んだ。いや、これも正確には進んでいなかった。。。
俺は見てしまった。自分の足元を。重いと感じていた原因を見てしまった。

俺の両足には真っ赤な糸?がフォークで絡め取ったパスタのようにぐるん
ぐるんに巻きついていた。えっ!?何これ! その糸はおかっぱの子から
伸びていて俺の足をがんじがらめにしていた。そしてさっきから聞こえてた
ビシッ!という音はその子が赤い糸を引っ張ってる音だったのだ。。。

俺は「もうダメだ・・・」と思い諦めた。明らかに小学1年生に出来る範疇を
越えていた。

ここで一緒にあそぶんだよ・・・ずっと一緒に・・・



199: 本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 22:08:26 ID:0/ZxkvvA0
6/7
そう聞こえたと同時に、ズルズルと本堂の中へ引っ張られてゆく感じがした。
俺は仰向けに倒れ、空を見ていた。フフフッ・・・フフフッ・・・というおかっぱの子の笑
い声と引きずられる音だけが響いた。まるでここだけ時間が止まっているか
のようだった。俺は諦めた。怖さより、もうこれで親や友達に会えなくなる
ことが悲しかった。そして本堂の中に体が入る瞬間、何かがひっくり返った。

バサァァァッ

ひっくり返ったのは俺だった。視線が前後上下左右に揺れまくった。一体、
何が起こっているのかわからなかった。気がつけば本堂を上から見下ろして
いる感じだった。えっ!?俺は足が軽くなったのがわかった。何だこれ!?
と思う間もなく、急降下してそのまま鳥居がある入口のほうまで一気に飛ん
でいった。あろうことかすぐ目の前には、ひ~ちゃんの背中が見える。

俺はそのまま映画のスローモーションのようにゆっくりと地面に足をつけた。
瞬間、時間の流れが正常に流れ始めたのがわかった。俺は振り返ろうとした
が、地面の底から響いてくるようなおぞましい声が聞こえたので固まった。


おぉぉのれぇぇぇ・・・邪魔をしおってぇぇぇぇ・・・


何のことかわからなかった。俺は振り返らずそのまま鳥居の外まで出たほう
がいいと思い、ひ~ちゃんと走った。無事、外へ出るとひ~ちゃんはずっと
俺がそばに付いてきてると感じてたと言った。俺は起こった事を彼に話した。
彼はふ~んと鼻くそをほじりながら聞いていたが、こんなことを言った。

じゃぁさ、それって誰かがおまえを助けてくれたのかもな。

え?誰かって誰だ?



200: 本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 22:10:20 ID:0/ZxkvvA0
7/7
日が沈みかけていた。俺は泣きべそをかきながら家に帰り、お袋に話した。
お袋は「それは天狗様が守ってくれたんだね」と言い、おかっぱの子につい
ては、あそこの神社の裏には無縁仏のお墓があるから、たぶんそこに埋まっ
とる子なんじゃないかと言っていた。翌日、俺とお袋はお菓子とおもちゃを
持って、その無縁仏のお墓にお供えした。ゴムボールも3個置いてきた。
たぶん鞠遊びがしたかったんだろうな、と思ったからだ。


それ以降、友達とその神社へはたまに遊びに行ったが、何事も起こらなかった。
ただ、たまに近所の人があそこでボールが跳ねる音がした、と言ってることが何度かあった。

今回の事件では俺は天狗の姿を見ていない。でも俺が3歳くらいの時、じつは
自宅で天狗を見ているんだ。その時は本当に怖かった。3際の頃の記憶で覚え
ているのなんて、その天狗のことと釣堀に落っこちたことだけだ。それは機会
があったらまた書くことにする。

おしまい。



201: 本当にあった怖い名無し:2010/02/25(木) 22:32:03 ID:8cyutrkbO
>>200
いろいろな経験してるんですね、すごい。
俺は零感だから、うらやましい。
実際、見たらかなりビビるだろうけど。

次の話、期待して待ってます。



223: 本当にあった怖い名無し:2010/02/26(金) 02:20:13 ID:e3Fy+gpH0
Kの癖
○ixiでも投下した体験談だす。見たことあったらすんません。

俺が大阪で体験した話

私は当時大阪の難波付近の居酒屋でバイトをしていました。
一人暮らしをしながらバイトをして、大学に通う訳ではなくまあぷータローしてました。
その居酒屋には私の好みにはまる女がいて、私より先にそこで働いていて初めて見た時からいいな~なんて
思いながらチャンスがあれば彼女にできんかなぁと・・・若かったですw

ある日店が暇だったので早く帰りたいやつ帰っていいぞと店長。
その日はなんとなく帰りたかったので私は店長に「俺帰っていいすか?」と申し出たところ
もちろんおkだったのですが、一緒に例の女(kとしますねw)も早上がりをするみたいでした。

私はチャンスと思い、店をでてすぐに
私「よかったら今日飲みに行かない」
k「う~ん、そだね暇だしいいよ」
ってな流れになり心の中で狂喜乱舞!kの家の近くで飲むことに。

あ~でもないやらこ~でもないやら・・・・まあ他愛の無い話をしながら酔いは確実に回って行き
私「今からどーする?カラオケでもいく?」
k「んーそだねぇ」
私「んじゃあどっかで飲み直しすっかw」
k「いいよーwつよいねぇwじゃあ私の部屋でのもっかー」
!!男なら誰しも一度は聞きたい言葉「私の部屋でチョメチョメ」である

その後店を出てコンビニで酒やら菓子を買いこみkの部屋へ
酔ってはいたものの私の思いは強くその日告白をして無事おkをもらいました。

私はあまり頻繁に彼女を作るタイプではなかったので久しぶりの交際に毎日が楽しかったのを覚えています
ただ・・・・



226: 本当にあった怖い名無し:2010/02/26(金) 02:30:28 ID:e3Fy+gpH0
>>223
ただ・・・・
付き合って何週間かした後に私とkは体の関係を持つようになり、もちろん付き合っているのだから
定期的にセクロスはするわけなんだが、kの癖

噛むんですよ 

初めはそこまで気にしていなかったんですが、日に日に私の体は傷だらけになって行きました。
そう・・・・かなり容赦なく噛むんですよ

さすがにシャワーが苦痛になって来た時に私はこれは辞めてもらわないかんなと思い次kと会う時に
はっきり言おうと思っていました。

次の日にバイトが終わってkの家に行きました。
飲みながらワイワイやっていたのですがちゃんと言わなければと思い私は言いました

私「あのな、kってさ噛む癖あるよな?これすっげー痛いんだぜ。みてみこれ、シャワーも辛いよ」
k「うん」
私「だからさ、軽くならいいからもうちょいなんとかしてくれんかな?これじゃ体がもたんわw」

そのときkは少し暗い表情をしながらただ
「うん」
と言っていました。

その日は疲れと、kの部屋で飲んだこともありお泊りすることにして一緒に寝てました



229: 本当にあった怖い名無し:2010/02/26(金) 02:43:53 ID:e3Fy+gpH0
>>226
疲れと酔いですぐに私は眠っていました
何時間位寝ていたのでしょう
腕がズキッ ズキッ とするのとなにかブツブツと声がするので目が覚めました
寝ぼけながら状況を把握しようとしていると

・・・・い・・・・ない・・・・まない・・・・・・

・・・・ない・・・・・かま・・・・・い・・・・・かまない・・・・・

噛まない?
その瞬間腕がまたズキッとしました。
めが覚めつつあったので痛みがしっかりと伝わってきました
ただ暗いのでよくわからない
痛む腕とは逆で電気のひもを引っ張りました

豆電球の薄暗い光の中に
私の腕をカッターで刻むkの姿がみえました

かまない・・・・・かまない・・・・かまない・・・・・・

完全にうつろな目をしたkに私はただならぬ恐怖を覚え「逃げろ!逃げろ!」と頭で叫んでいました
カッターでさらに私の腕を刻もうとするkを突き飛ばし、私は着のみ着のままでドアまで走りノブに手をかける

ガチャ・・・・ガチャーーーン!
チェーンがかかっている・・・・
ふと振り返ると

かまない・・・・・かまない・・・・・

カッターを手に・・・・・呟きながら・・・・・kが向かってきていました



230: 本当にあった怖い名無し:2010/02/26(金) 02:55:55 ID:e3Fy+gpH0
>>229
私は恐怖に半ばパニックになりそうなのを必死で抑え、なんとかチェーンをはずして彼女の家から走って逃げだしました。

怖くて、何が起きたかも整理できず、ただただひたすら地下鉄で3駅ほどの距離があった自宅へ向かって走っていました。
自宅近くのコンビニの前でようやく頭が冷静さを取り戻し、少し落ち着いて一服しようと思いコンビニでタバコを買おうと
入り店員に煙草を頼むのですが・・・・・店員が明らかに怪訝な顔で私を見ていました。

そりゃTシャツで腕から血を流している男が息を乱して煙草を買う。
普通じゃないですよねw

煙草を吸いながら腕の傷を確認すると、皮一枚を刻んでいた感じで出血もおさまってきていました。
一体何だったのか・・・・・とにかく意味がわかるわけもありません。
煙草を2本、3本と吸い、とにかく家に帰る事にしました。

家(当時アパートに一人暮らしでした)へと向う道 角を曲がり アパートが見えました

階段を一人の女が上って行く・・・・・

そう・・・・・彼女は・・・・・私の家を知っていたのです。



233: 本当にあった怖い名無し:2010/02/26(金) 03:08:00 ID:e3Fy+gpH0
>>230
私は恐怖を抑えながら彼女をそっと影から見ていました。

カァン・・・カァン・・・カァン・・・・

階段を上り、2階の私の部屋の前へ立つk
ドアノブに手をやり、手には鍵

!!なんで!!
ポケットを探ると鍵が無い。
kの部屋に落とした・・・・・。

鍵を開け、鞄からカッターを出し、私の部屋に入るk・・・・。

私は恐怖に震えました。


結局この時点でコンビニへ戻り電話を借りて警察に通報しました。
警察に連れられて私の部屋から連れ出される虚ろな目をしたkを今でも思い出すとゾッとします。


後日、警察とkの家族と話をし、今後私と一切かかわりを持たないと一筆を交えることで私はそれ以上は
何もしませんでした。

それでもやはり毎日が不気味で恐ろしく、私は実家へと帰ることにしました。

一体kはなんだったのでしょうか。
私の今でもトラウマがのこる体験談です。

駄文長文失礼しました。



259: 本当にあった怖い名無し:2010/02/27(土) 02:01:38 ID:BgqnUARj0
飛び込み多発路線
1/7
あれは今から5年くらい前の話だ。
子供の頃の話が続いたんで今日は社会人になってからの
恐怖体験を話そうと思う。田舎には田舎の、都会には都会
の怖さってもんがある。これはその顕著な例だったと思う。

俺は某ゲーム会社で働いている。通勤にはY浜線を使って
いたが、これが結構「飛び込む」ことで有名な路線だ。
しかし俺自身は幸運にもそれらに遭遇することはなかった。
この日までは・・・


その日はいつものようにお昼前に起きて電車に乗った。俺
の会社はフレックスなので何時に出勤してもいいんだ。駅
に着くとちょうど電車がきた。時計を見るとお昼の12時40
分だった。お~空いてる空いてる。電車には誰も乗ってい
なかった。いつものようにi-Podで音楽を聴き始める。

朝はJAZZと決めている。鼻歌まじりで外の風景を眺めてい
たが、何か違和感がある。天気は快晴。春先で穏やかな日
差しに包まれている。しかし動感がない。。。というか止
まってる1枚の写真を見ている感じだった。と、そのとき
電車が駅を通り過ぎた。

え?



260: 本当にあった怖い名無し:2010/02/27(土) 02:02:53 ID:BgqnUARj0
2/7
この電車は各駅停車だ。なんで通り過ぎたんだ?俺の最寄
り駅は小さいので各駅停車しか止まらない。それが他の駅
を通り過ぎることなどあり得ないのだ。おかしいな、運転
手が間違えたのか?よく考えたら乗ってから車内アナウン
スもなかった気がした。俺はキョロキョロ見回したが電車
は普通に走っている。少し不安になったが、ほどなく次の駅に電車は停まった。

プッシューーー・・・ッ バタン
コツコツコツ・・・

扉が開き後の車両に人が乗ってきた音がした。俺は思い過
ごしかと安心した。そして電車は次の駅でも停車した。結
構大きな駅だ。しかしおかしなことに扉が開いても誰も乗
ってくる気配がない。ホームには結構な数の人が並んで立
っている。ん?なんでみんな乗ってこないんだ?

おかしなことに皆、電車が来る方向を見ている。まるで早
く電車が来ないかな、といった表情だ。いやいや、来てる
じゃん。みんな早く乗ろうよ。と思っていると誰かが同じ
車両に乗ってきた。うん、そうだよね。みんなも早く乗れ
ばいいのに。しかし結局、同じ車両に乗ったのは一人だけ
で電車は動き始めた。

この駅で降りとけばよかった・・・



261: 本当にあった怖い名無し:2010/02/27(土) 02:04:06 ID:BgqnUARj0
3/7
多少の違和感はあったが、あまり気にもせず気を取り直し
て音楽を聴いていた。しばらくぼんやりしていたが、ふと
目線を右方向に移すと視界にさっき乗ってきた人が映った。
女子高生かな?黒い制服をきた女の子だった。無言でうつ
むいている。床には大きなバッグを置いているようだった。

あんなに大きな荷物じゃ大変だな、などと思って目線を戻し外を見ていた。

ボトッ・・・

何か音がした。ん?何の音だ?俺はキョロキョロ見回した。
特に異常はない。気のせいかと思い視線を女子高生に向け
た。あれ?心なしか彼女の荷物が大きくなっている気がし
た。おかしいな、荷物あんなに大きかったっけ。。。しば
らくボーッと見ていたが何か違和感がある。しばらくして
その理由がわかった。

瞬間、全身の毛が逆立った。



262: 本当にあった怖い名無し:2010/02/27(土) 02:05:08 ID:BgqnUARj0
4/7
俺の人生でこの時ほどヤバイと思ったことはなかった。お
そらく前回の神社事件以上のレベルだった。彼女の大きな
荷物だと思っていたものは、血だった。よく見ると右足が
切断されていて床に転がっている。どす黒い血がじっとり
と流れ出して徐々に広がっているのだ。黒い制服というの
も元は白いらしく、血で黒く見えていたのだった。

俺は後の車両の乗客も見てみた。首がなかった。この時初
めて事態の異常さと相当な危険度を感じた。全身からいや
な汗が噴き出た。とにかく降りなければ!俺は次に停車し
てドアが開いたら即効で逃げようと思った。ほどなくして
電車は次の駅に停まった。

ん?なんだこの駅?
見たこともない駅名だった。というか目の焦点がよく合わ
ず駅名がよく見えない。しかも一向にドアが開く気配がな
い。ほどなくして電車が動き始めた。俺は咄嗟に窓から飛
び出ようと思ったが、窓がビクともしない。しかしよく考
えたら「まともではない場所」で外に出たら逆に危険な気
もした。生きて帰れなくなるからだ。

女子高生を見た。両足ともなかった。血が噴き出ている。
と、後のほうから何やら音が聞こえた。

ガラガラガラ・・・バタン!



263: 本当にあった怖い名無し:2010/02/27(土) 02:06:47 ID:BgqnUARj0
5/7
車両連結部のドアを開け閉めしているような音だ。その音
がだんだん近づいてきているような気がした。ヤバイ、何
かが来る!言葉では言い表せないような劣悪な波動?を感
じて俺は先頭車両のほうへ移動した。女子高生の前を通り
過ぎた。視線を向けずにいたが、すでにバラバラだったのがわかった。

そして1番先頭の車両に着いた。空気が異様に冷たい。俺
は運転席のドアを開けようとしたがビクともしない。とい
うか運転手がいない。。。と、電車がトンネルに入った。
外は真っ暗だ。え?トンネル?当然、この路線にはトンネ
ルはおろか高架すら無い。車内の電気が消え非常用の赤色灯?になった。

バタン!

咄嗟に振り向くと連結部のドアを開け車掌?が入ってきた。
さっきからこっちへ向ってたやつだ。暗くて顔が見えない。
手には金属製の長いアイストングス(氷を挟む道具)のよ
うなものと、黒い大きな布袋を持っている。袋の中では何
かがゴソゴソと動いている。。。

ヤバイ・・・見つかった!



264: 本当にあった怖い名無し:2010/02/27(土) 02:08:33 ID:BgqnUARj0
6/7
どんどんと車掌がこっちに近づいてくる。本能が逃げろと
言ってるが体が動かない。情けないことに失禁寸前だった。
車掌は無言で接近してくる。もうダメだと思った瞬間、俺
の体を車掌がすり抜けた。

え・・・?
と、同時に強烈な、しかも妙に懐かしい匂いがした。


「まだ早えーよ」

そう聞こえたかと思うと、車掌は運転席に入って行った。

パァァァァ・・・ン

いきなりすごい日差しが車内に入ってきた。眩しくてしば
らく目が開かなかった。

新○浜ぁ~新○浜です。市営地下鉄をご利用の方は・・・



265: 本当にあった怖い名無し:2010/02/27(土) 02:09:40 ID:BgqnUARj0
7/7
アナウンスで俺の降りる駅名が流れた。ほどなく駅に着き、
俺は茫然としながらもなんとか降り、ヘナヘナとホームの
ベンチへ座り込んだ。一体今のは何だったのか・・・夢だ
ったのだろうか・・・時計を見ると1時10分だった。電車に
乗ってからちょうど30分。いつも通りだ・・・

数年ぶりに起こった「あっち側の出来事」にヘトヘトになり
ながらも、あの車掌について考えた。乗客はわかる。たぶん
飛び込んだ人達だ。しかしあの車掌だけはどうしても納得が
いかなかった。あの匂い、ふいんき、あれはまさに俺自身だったんだ。

どういうことだ?俺は将来、あっち側の車掌になるのか?そ
れに「まだ早い」と聞こえたが・・いつか俺が飛び込むとい
うことなのか?ふと足元の靴を見たら裏にベットリとドス黒
いものが貼りついていた。すぐに靴屋で新しい靴を買い、それは捨てた。


幸い今は勤務先が変わり、Y浜線は使っていない。しかし今
でも一体あれは何だったんだろうと謎のままだ。

おしまい。

  • 最終更新:2012-10-08 15:42:27

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